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平成18年度 安全管理マーク商品テスト報告書に沿って、テストの目的、試験項目および試験方法等についての解説の後、全試料について有害物質試験、硬さ試験、移行性試験および消し能力(消字率)試験のすべてについて適合している旨の報告が村田委員よりあった。
この報告内容に関し、使用・消費者側委員から、「今回の試買テストの対象サンプルがすべて塩ビ製であったのは何故か?」との質問があり、「これまでにいろいろなサンプリング方法を試してきたが、テスト結果が安定したこともあり、現在は工業会会員(以下、会員という。)が自社製品の中から選択するというサンプリング方法をとっている。今回はたまたま会員の選択したものが塩ビ製品であった」との説明が事務局よりなされた。
また、「硬さが消しゴムまたはプラスチック字消しで『〇〇以上』と規定されていて上限がないのは何故か?」との質問があり、これに対し会員側は、「用途に応じて形状の違い(通常の角形のものと棒状(ノック式))で、その硬さの値は大きく変わり、それに適した設計をしているというのが現状で、鉛筆の硬さに応じて硬さを設定した字消しも商品化された」という事情説明を行った。又、「消しゴムについては表面の劣化の問題があるため老化(硬さの変化)の規定が設けられているが、この老化は表面だけに起こりやすく、その部分を取り除けば通常の消字力を有するというのが普通である」との見解を示した。 |
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使用・消費者側委員より、「筆記具は試せるが、消しゴムは試して買うことができない。例えば、消したときに表面が黒くなりやすい消しゴムも、試して簡単に評価できるのであればよいのではないか。現実はそれが出来ないので、外観とか表示で判断することになるが、かえってそれが過剰表示や過剰包装を誘発してしまっている」との考えが述べられ、「その点についてガイドラインが業界にあるか」との質問がなされた。これに対して会員側からは、「試し消しについては、新製品の場合には、販売店に対してサンプルを提供するなどして、メーカーが個々に対応している。また、過剰表示や過剰包装に対しては法的に規制される部分もあると思うが日本字消工業会(以下、工業会という。)としてガイドラインは持ち合わせていない」との説明があった。 |
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村田委員より、資料:JISマーク認証業務(財団法人 日本文化用品安全試験所)による解説。 |
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工業会の見解としては以下の通り。
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欧州での化学物質の規制に関し、工業会として発信できる情報は各会員に提供しているところであるが、最終的に工業会は強制力を持ち合わせていないので、それらの規制に対しては各会員が判断することとなる。 |
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その規制の骨子は対象となる化学物質が使用不可ということではなく、申請しそれが認められれば可能となるということであるが、規制対象となる化学物質をこれらの手続きを経て使用するか、或いは代替品による対応にするかはよく考えなければならない問題である。 |
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欧州の今後の状況を勘案し、進むべき道を探る必要がある。 |
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消しゴムとしての機能以外に消しゴムではんこを作るという玩具的な使われ方があることについて、「彫刻という趣味的な行為のために消しゴムを使うことに疑問を感じる」、「消しゴムは字を消すという機能を目的として作られているものであり、その目的用途以外の使い方をするのは惜しい気がする」、「字消しも化学物質からできており、彫刻行為は削り滓が廃棄物となって環境中に排出されることを促進させるので、結果的に不安感を与える化学物質が拡散することを危惧する。彫刻用製品に“消しゴム”という名がついていることに受け入れ難いものを感じ、名前の一部に“消しゴム”を入れないで何かいいネーミングはないものかと考えながらホームページを見ていた」との意見が使用・消費者側委員から示され、工業会からは「あくまでも彫刻用の素材として販売しており、従来の素材と比較して、幼児やお年寄りでも彫りやすく、素材自体が柔らかいので曲面にもスタンプし易く、楽しんで頂けるものと考えている。あくまでも彫刻用素材としての位置づけであるが、消しゴムメーカーとしての立場から、単に彫刻用素材として販売するよりは、消しゴムで出来た彫刻用素材とアピールする方が遥かに販売に貢献することを我々は経験的に知得しており、それを実践させて頂いているのが現状である」との見解が示された。 |
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「購読者の中から塩ビの消しゴムの消し滓はどの分類で廃棄すればよいかとの問い合わせがあった」とのことで工業会に記者より連絡が入り、新聞社への回答として、(1)地方自治体の取り決めに則って処理して頂くというのが原則であるとした上で、工業会の見解としては(2)業務的に廃棄されるようなものは除き、一般家庭で排出される程度の量であれば、分別して頂いても構わないが、そこまで神経質に分別する必要はないと考えているということを連絡した。
その根拠は、通常廃棄用の袋にポリ袋を使っており、通常一般家庭で排出される塩ビの消しゴムの消し滓量と廃棄用ポリ袋の量を比較して、ポリ袋量との関係から分別するほどの量でないとしたことに起因する。
以上の工業会の示した見解を紹介したところ、使用・消費者側委員から、「工業会は消費者と共によりよい環境づくりに貢献する使命があり、そういう使命を有する団体が先のようなコメントを発することについては問題がある」との指摘があった。
併せて、「現在、国の方針が、廃棄物の種類によってはある程度のものは焼却処理してもよいという方向になりつつあるということで、非常に心配している」とのコメントもあった。 |
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使用・消費者側委員より、「これまでの審議会で字消しに関わるいろんな議題について皆さんと意見交換をしてきた。これはとても大切なことを実行していたのであるが、関係者の範囲に止まっていたことは残念である。工業会がホームページを準備中とのことであるが、ここで議論された事項が一般のユーザーにホームページを通じて伝われば更に有益になると思う」との意見が出、また、最近気になっている点として、「化学物質の環境中での影響が色々と問題視されているが、化学製品を取り扱う場合は、その点を十分把握し、それによってどのような問題が発生するかを想定すること、並びにどのような使い方をすれば安全か、或いは、こういう使い方をすると危ないということを発信していくことが必要で、これにもホームページが有効と思う」と指摘された。これについて、「ホームページの開設を急ぐ」との回答が工業会よりあった。 |
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使用・消費者側委員より、「玩具的な商品については子供達自身が遊び方を発想するということが推測されるので、その様な状況を想定した物作りが必要で、大人が安全性をしっかり守るという視点が最も重要」との意見があった。 |
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