使用・消費者側委員より、「移行性の試験方法について」の質問があり、赤井委員より「安全管理マーク規定の5頁の6.4移行性の試験方法として規定されている」と報告があった。更に、工業会側から「プラスチック字消しは、主に塩化ビニル樹脂が原材料となっていて、塩化ビニル樹脂を柔らかくするのに可塑剤を用いる。この可塑剤がくせ者で、字消しの表面に滲み出て、その表面に浮き上がった可塑剤が接触している相手に乗り移って行く現象を移行という。接触した相手が鉛筆だと鉛筆の塗料を溶かし、相手が電卓だと接触していた部分がべたついた状態になることを経験されたことがあるかも知れない。それを防ぐために、字消しには必ず巻紙というのが付いている。また、その巻紙には、“使った後はこのケースに入れてしまいましょう”と云う注意書きが書かれている。字消しによって、移行のし易さ、し難さがいろいろあるので、この試験では、どれだけ移行し難いかと云うことを鉛筆の塗料で調べている」と説明があった。
使用・消費者側委員より、「塩ビ、非塩ビの表示に関し、非塩ビって云うのは塩ビじゃないという意味か。とすると、塩ビの場合は主原料として塩ビ樹脂を使っていると思うが、非塩ビについては、多種多様な物質が使われるということか」との質問があり、工業会側から「塩ビを主原料にした字消しを“塩ビ”と云い、以前のように生ゴムを使ったものを非塩ビと称しているメーカーもありますし、或いは主原料の塩ビを塩ビ以外のプラスチックに変えたものを非塩ビと称しているものもあります」との見解が示された。
使用・消費者側委員より、「字消しの安全管理マーク規定の“3.製品中に含まれる有害物質”に水銀が規定されているが、今年の2月に国際的な水銀条約に関する会議が行われました。日本では水俣条約とも呼んでいますが、今後、水銀を世界的にストップするための条約の検討会を行っているところです。消しゴムに入っているようですが、今後、水銀が使えなくなる可能性があります。消しゴム自身に水銀をどうしても使う必要があるのでしょうか」との質問に関し、工業会側から「必要はありません。これは、わざわざ水銀を入れていると云うことでなく、原料に不純物として混ざっていたり、或いは製造工程で誤って混入した場合を想定して設けられたものです」との回答があり、再度同使用・消費者側委員より「絵画作家が作品に判を押す時に使用する高級な朱肉には水銀が入っている。こう云うものも今後、水銀が使えなくなるということで、これをどのように取り扱うかということを具体的に検討している最中です。ここに水銀とあったので、もしそういうのがありますればと云うことで、話をさせていただきました。使う必要がないとのことでしたら問題はありません。一方、この度の試験機関が出しました製品の検査結果の水銀の項をみますと5以下と書いてあります。5以下と書いてあるのは1か、2かということにもなります。使わないのであれば、ゼロの方がいいのではないかと思います」との見解が示され、工業会側から「先にも話がありましたように、現在の検査方法では規制値以下であれば適合となっているので、その規制値の10分の1の検出限界で評価を実施しているが、今の話のように水銀をゼロにしなさいと云う議論の場合は、その基準に則した対応が必要になってくると考える」との見解が示された。
〈 委 員 〉 宮 村 康 夫 名 和 小夜子 伊 敷 万太郎 黒 木 由美子 赤 井 尉 浩 若 月 壽 子 浅 野 幸 子 西 岡 靖 博 山 崎 理 右 生 沼 秀 樹 矢 島 泰 行 山 崎 安 男 伊 藤 忠 彰 辻 尾 伸 二 吉 住 公 一
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